統合失調症

統合失調症を放置するとどうなる?治療方法も併せて解説します

統合失調症を放置するとどうなる?治療方法も併せて解説します

統合失調症は脳の機能障害により、幻覚・幻聴などの症状が現れる病気です。

現在このような症状に悩まされており、自分は統合失調症なのではと考えている方もいるかもしれません。

あるいは、ご家族に統合失調症の疑いがあり、不安を感じている方もいることでしょう。

統合失調症の症状は放っておいても治ることはなく、むしろ悪化して危険な状態に陥ってしまう可能性もあります。そのため、早期に発見・治療することが重要です。

本記事では統合失調症を放置するとどうなるかや、治療方法などについて解説しています。

自身や家族などに、統合失調症の疑いが見られる場合は、ぜひ本記事を参考にして精神科の受診をご検討ください。

お問い合わせやご相談は無料で承っております。下記からお気軽にお電話ください。

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統合失調症はどのような病気か

統合失調症とは脳の機能障害により、考えや心がまとまらなくなってしまう病気です。

あまり聞き馴染みのない病気かもしれませんが、100人に1人の割合で発症する精神疾患であり、珍しい病気ではありません。

統合失調症に罹ると様々な症状を引き起こし、社会的な行動が困難になるケースも見られます。

統合失調症の代表的な症状としては喜怒哀楽の表現が乏しくなる感情鈍麻や、幻覚・幻聴といったものが挙げられます。

統合失調症の主な原因は?

統合失調症の主な原因は、様々な説があるものの、実はよく分かっていません。

有力な要因として、脳の神経伝達物質のバランスが崩れていることや、生得的因子などが挙げられます。

脳の神経伝達物質のバランスが崩れてしまう原因としては、強いストレスなどが考えられています。なぜなら、強いストレス環境にいる方や、強いストレスを感じる出来事を経験した直後に発症する方が多いからです。

統合失調症の原因は正確に分かっていないものの、完治しない精神疾患ではありません。

統合失調症は早期発見と適切な治療によって、完治することも不可能ではないのです。

統合失調症を完治させるためにやるべきことや、実際に完治した事例は下記の記事で詳しく解説しておりますので、併せて参考にしてください。

統合失調症を放置するとどうなるのか?

統合失調症を放置することで起きる症状は、主に下記の3つです。

  • 激しい妄想症状を引き起こす
  • 病識を失う
  • 強い摂食障害を引き起こす

それぞれ順番に解説します。

激しい妄想症状を引き起こす

統合失調症を放置してしまうと、激しい妄想症状が引き起こされます。

特に被害妄想が現れる場合が多く、誰かに見られているような感覚や、常に悪口が聞こえるといった幻聴に悩まされることになります。

現実と妄想の区別がつかなくなり、結果的に暴力や問題行動にも繋がるケースも多いです。

刃物を振り回したり、自傷行為をしたりといった、患者や周囲の人に対して命の危険を感じることにもなりかねません。

病識を失う

統合失調症の症状の一つとして、病識を失ってしまうことが挙げられます。「病識を失う」とは、自分が病気だと実感していない状態になることです。

病識を失うと、自分が病気であることが分からなくなってしまいます。

そのため継続的に治療を受けることが困難になる上、周りの方とのコミュニケーションが難しくなることもしばしば見られます。

最悪の場合は強制的に入院させて、半強制的に治療を行うこともあるほどです。

病識を失い、治療を受ける機会がなくなってしまうと、そのまま症状が悪化して上述のような激しい妄想症状に繋がることも考えられます。

危険な状態になりかねないので、本人が病識を失っている場合は、周囲の人が受診を促す必要があるでしょう。

強い摂食障害を引き起こす

統合失調症を発症すると、強いストレスなどが影響して、強い摂食障害を引き起こすこともあります。特に拒食症などを併発するケースが多いです。

摂食障害は食行動の重篤な障害を特徴とする精神疾患で、極端な食欲不振や過食などが発現します。

摂食障害を併発することで、栄養失調となってしまい、身体的な病気を発症することも考えられます。摂食障害も症状が悪化すると、命の危険に繋がる可能性のある病気です。

栄養失調等の身体的な疾患に繋がるリスクも高いため、摂食障害と見られる症状がある場合は、すぐに精神科に相談しましょう。

統合失調症の治療方法は?

統合失調症の治療方法としては、薬物療法や心理療法などがあります。また症状がひどい場合には入院措置を取った上で、治療を行うこともあります。

統合失調症はきちんと治療を行えば完治できる病気です。ここでは統合失調症の治療方法について、それぞれ詳しくご紹介します。

薬物療法

統合失調症の治療方法としては、薬物療法を行うことが多いです。治療に使用する薬は抗精神薬となります。抗精神薬には定型抗精神病薬と、非定型抗精神病薬の2種類があります。

  • 定型抗精神病薬:定型抗精神病薬は脳内のドーパミンの量を調節することにより、幻覚や妄想といった統合失調症の陽性症状への効果が期待できます。
    主な副作用としては、パーキンソン病のような手足の震えなど運動系の症状や、眠気などが現れることがあります。

 

  • 非定型抗精神病薬:非定型抗精神病薬は脳内のドーパミンに加え、セロトニンという神経伝達物質を調整することにより、陽性症状に加えて意欲の低下や感情鈍麻など陰性症状にも効果が期待できます。

非定型抗精神病薬の場合は定型抗精神病薬と比べ、パーキンソン症状のような手足の震えといった運動系の副作用が現れることは少ないです。

ただし薬によっては眠気や体重増加、代謝系の副作用が現れることもあるため、必ず医師の処方に従って、適切に服用することが大切です。

なお、具体的に統合失調症の治療でどのような薬を使用するのかについては、下記の記事で詳しく解説しているため、併せて参考にしてください。

心理療法

心理療法には心理教育や作業療法、生活技能訓練など様々な方法があります。

心理教育は病気や治療について理解を深めながら、困っていることに対処する方法についても学びます。

心理教育には当事者を対象としたものと、患者の家族を対象としたものがあり、治療においてそれぞれが重要な役割を果たします。

また作業療法では、趣味の活動から就労に近い作業まで、実際に手や体を動かしながら、好きなことやできることを増やしていきます。

統合失調症の患者の中には陰性症状の影響により、意欲の欠如といった症状が出ている人も少なくありません。

まずは簡単な作業を行なっていくことで、患者の意欲を徐々に引き出します。作業を通じたやり取りの中でコミュニケーションの力も身に付きます。

生活技能訓練では人との関わり方や自分の気持ちの伝え方など、日常生活の中で自身が「できるようになりたい」と思うことをグループの中で練習し、対処する力を高めます。

このような心理療法を行うことで、社会復帰に向けて徐々に病気が治療されるのです。

なお、統合失調症には急性期と回復期という2種類のフェーズがあります。

急性期にはストレスの少ないゆっくりとした環境で過ごすことが望ましいです。この時期には十分な睡眠と適切な栄養を摂ることを最優先します。

そして回復期は少しずつ運動を取り入れて、休養と活動のバランスを取ります。回復期には規則正しい生活リズムを送ることが重要です。

このように統合失調症の治療は急性期と回復期で治療法が異なります。当事者の状態をしっかり見極めた上で、適切な治療を行っていく必要があります。

統合失調症を治療する際の流れについては、下記の記事でも詳しく解説しているため、併せてご覧ください。

場合によっては入院することも

統合失調症の進行が激しい場合は、入院治療が行われることもあります。

特に自分の病識をきちんと認識していないケースや、妄想症状などによって患者本人や周囲の人の身の安全が確保できないケースは、入院の上きちんと治療を受けることを優先しましょう。

入院病棟では、入院生活全体が治療になるように配慮されます。

適切な食事が提供され、規則正しい生活を送ることが推奨されます。その上で薬物治療や心理療法を行い、統合失調症の完治を目指します。

精神科に入院することは怖いと感じる方もいますが、どんなところなのか事前に知識を持っておけば安心です。

精神科に入院した後の生活については、下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

精神科に入院するとどんな感じの生活になる?治療法も併せて解説

統合失調症は放置すると治らないので精神科を受診しましょう

統合失調症は放置しても治ることはありません。むしろ放置すると症状が悪化し、社会的な生活が送れなくなることも懸念されます。

統合失調症の寛解には早期の発見・治療が鍵になります。症状が進んでしまう前に、早めに受診することが大切です。

銀座の心療内科、梅本ホームクリニックでは、統合失調症の治療も行っています。

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在宅での治療が可能なので、統合失調症の症状が進行してしまい、通院が困難な方でも安心して治療を行うことが可能です。

統合失調症の症状が気になっている方は、ぜひ一度、お電話にてお気軽にご相談ください。

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