統合失調症

統合失調症で眠れない場合はどうしたらいい?治療法やご家族の適切な対応も解説

統合失調症で眠れない場合はどうしたらいい?治療法やご家族の適切な対応も解説

統合失調症になると、脳内の神経伝達物質のバランスや生活リズムが崩れ、眠れなくなってしまうことがあります。もしも統合失調症と睡眠障害を併発したら、どのように対処すればいいのでしょうか。

本記事では、統合失調症と睡眠の関係性や眠れない状態を放置するリスク、治療について説明します。

適切な治療で早期寛解を目指すためにも、統合失調症と睡眠の正しい知識を身につけましょう。

お問い合わせやご相談は無料で承っております。下記からお気軽にお電話ください。

統合失調症で眠れないことはある?

結論から申し上げると、統合失調症の患者様が眠れなくなることは珍しくありません。

統合失調症の診断基準に睡眠障害は含まれませんが、「寝付きが悪い」「途中で目が覚める」といった不眠症の症状を併発し、強い苦痛を感じる患者様は多くいらっしゃいます。

不眠症の原因は、脳内の神経伝達物質「ドーパミン」のバランスが崩れ、活発に働くことであると考えられています。統合失調症の患者様は、ドーパミンが過剰に分泌されることによって興奮状態が続いてしまい、眠れなくなるケースが多いのです。

また、陽性症状である妄想や幻覚が睡眠を妨げることもあります。夜間眠れなくなると昼間の活動時間が低下するため、さらに夜眠れなくなるという、負のループに陥る患者様もいらっしゃいます。

反対に、症状によっては起き上がれない状態になることも少なくありません。症状の出方はさまざまなので、一人ひとりに合わせて投薬や生活指導などの治療を行う必要があります。

統合失調症と睡眠の関係性

統合失調症は、患者様の状態によっていくつかの病期に分類できます。各病期では、現れやすい睡眠トラブルの内容が異なります。

ここでは、統合失調症の経過と睡眠トラブルの現れ方について解説します。

前兆期

前兆期とは、気分障害やうつ病のような症状が現れる、統合失調症が悪化する前の段階のことです。

不安感や感覚過敏が生じやすくなるため、不眠の症状が現れる方もいれば、反対に異常な眠気に襲われる方もいらっしゃいます。

前兆期の段階に現れる症状だけでは、正確な病名の診断を下すことは難しい傾向にあります。うつ病や双極性障害などの疑いもあるため、精神科を受診してしっかりと診察を受けることが肝心です。

統合失調症の初期症状については、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

統合失調症の初期症状として見られる症状を解説します

急性期

急性期とは、統合失調症特有の陽性症状が強く現れ始める病期のことです。

前兆期で感じていた不安や感覚過敏などの症状が激しくなるとともに、妄想や幻覚といった症状が出るようになり、不合理な行動をとったり日常生活に支障をきたしたりします。

急性期の症状は、ドーパミンの過剰分泌や、精神を安定させる作用がある神経伝達物質「GABA」が抑制されて興奮状態が続くことで引き起こされます。

興奮状態や陽性症状の影響で眠りたくても眠れない状態になる患者様が多いため、ご本人はもちろん、ご家族や周囲の方の負担も大きくなりやすい病期です。

消耗期

消耗期とは、急性期の症状が治まり、心身の疲れが強く出る病期のことです。急性期の激しい陽性症状でエネルギーが低下し、こころと体の活動が鈍くなりやすい傾向にあります。

消耗期は、長時間寝すぎてしまう過眠の症状が出やすくなります。急性期における心身の疲れを一気に自覚して、疲れ果てて起き上がれない患者様も少なくありません。

この時期は、とにかく休息を取ることがもっとも大切です。ご家族の方は、「いつもゴロゴロしている」「何もしていない」と患者様を責めないように気をつけましょう。

気力がない状態は周囲から見ると心配になりますが、眠れていて最低限の食事がとれていれば問題ありません。病み上がりの時期なので、休養をとりながら無理のない範囲で活動することが大切です。

統合失調症で眠れない状態を放置すると

統合失調症で眠れない状態を放置することには、さまざまなリスクが隠されています。ここでは、代表的な2つのリスクについて解説します。

他の精神疾患を併発するリスクがある

統合失調症の方が眠れない状態を放置すると、他の精神疾患を併発するリスクが高まるため注意が必要です。

睡眠時間が不足することによる昼間の眠気や意欲の低下、体調不良などが原因となり、うつの症状が現れることは珍しくありません。

また、睡眠不足による体調不良やリズムの乱れが、より強い興奮状態や被害妄想、幻覚を引き起こす恐れもあります。

症状が進行すると、統合失調症と気分障害の合併症となる「統合失調不安障害」を招くこともあります。精神疾患の併発は患者様ご本人の苦痛増大につながってしまうため、睡眠トラブルが現れたときは早めに治療することが大切なのです。

統合失調不安障害については、下記の記事で解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

統合失調感情障害の原因とは?症状や治療法もあわせて解説

ご家族のストレスが溜まってしまう

統合失調症と睡眠障害の併発は患者様にとって辛いものですが、周囲の方の負担も増えることも忘れてはいけません。患者様が寝られないことによって、ご家族のストレスが溜まってしまうケースが多い傾向にあります。

とくに陽性症状が現れているときは、患者様は不合理な行動や発言を繰り返すようになるため、ご家族が安心して眠ることは難しくなるかもしれません。

一緒に住むご家族が眠れなくなってしまったり、それによって体力が削られたりすれば、患者様の治療にも影響を及ぼします。必ず限界が来る前に主治医へ相談して、解決策を提示してもらいましょう。

統合失調症で眠れないときは睡眠薬の服用がおすすめです

統合失調症で眠れないときは、睡眠薬で治療することがおすすめです。

睡眠薬と聞くと「副作用が怖い」と感じられる方も多いですが、睡眠不足によるうつ病などの併発リスクを考えると、飲んだほうが患者様とご家族にとって安心だといえます。

近年は副作用が少ない薬も増えてきており、医師の指示に従って服薬していれば、重大な副作用を引き起こすことは減っています。

ただし、自己判断で薬の量を調節したり服薬をやめたりすることは非常に危険です。医師からしっかりと説明を受け、指示に従って服用方法や容量を守ることが大切です。

睡眠薬については、下記の記事で詳しく解説しています。眠りや服薬に不安を抱いている方は、ぜひご一読ください。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは?効果や副作用・具体的な薬名も解説

統合失調症で眠れない場合は精神科に相談しましょう

統合失調症に罹患している患者様は、脳内伝達物質のバランスや生活リズムが乱れることにより、眠れない状態になりやすい点に注意が必要です。

眠れない状態を放っておくと、他の精神疾患を併発したり周囲の方の負担増大につながったりするおそれがあります。

ご家族に統合失調症で眠れない患者様がいる場合は、精神科の主治医に相談して、適切な対処を行うことが大切です。そうすることで、患者様ご本人の早期寛解を目指せるだけではなく、ご家族のストレス軽減にもつながります。

エフェメールホームクリニックは、統合失調症の患者様に向けて在宅医療を提供している心療内科です。自宅で安心して診察や治療を受けられるため、統合失調症の症状や睡眠に関するお悩みも、お気軽にご相談いただけます。

気になることやご不安なことがある方は、ぜひ一度当院までご相談ください。