統合失調症

統合失調症患者の具体的な症例と代表的な症状を解説します

統合失調症患者の具体的な症例と代表的な症状を解説します

統合失調症は、周りから見ても大きな異変に気づけるほど大きな変化が起こる精神疾患です。特に、幻覚や妄想といった症状が見られる場合は、統合失調症の罹患が疑われます。

この記事では統合失調症の代表的な症状や治療方法などについて解説しています。近頃周りの人の様子が少し気になるという方は、ぜひ最後までご覧ください。

統合失調症の代表的な症状

まず始めに、統合失調症の症状についてご紹介します。特に代表的な症状は下記の通りです。

  • 幻覚・妄想
  • 過度な興奮状態
  • 今までできていたことができなくなる

それぞれ順に解説していきます。

幻覚・妄想

統合失調症の代表的な症状として、第一に幻覚と妄想が挙げられます。幻覚とは、実際には存在しないものが現実にあるように感じてしまう知覚の異常のことです。中でも自分の悪口や噂話などが聞こえてくるといった幻聴は、統合失調症の患者にしばしば見られる症状です。

また、妄想とは明らかに間違った内容を信じてしまって、周りがいくら訂正しようとも受け入れられない考えのことです。

たとえば嫌がらせをされているといった被害妄想、テレビやインターネットで自分に関する情報が勝手に流されていると思い込んだりする、関係妄想などがあります。

このような幻覚・妄想が、統合失調症の患者さんにとってはまるで現実であるかのように感じられてしまうのです。そのため病気が原因であることにはなかなか気づけません。

過度な興奮状態

統合失調症を発症することで、過度な興奮状態といった症状が現れるケースもあります。

幻覚や妄想などの影響もあり、他人から見られることや音に対して極端に敏感になってしまう患者さんも少なくありません。

これらの症状が現れると社会生活を行うことが困難になり、患者さんは常に過度なストレスに苦しむ環境に置かれてしまいます。そして普段とは異なる状態によって、特に理由がないのにイライラするなどの症状が現れることもあります。

これらの症状によって、人間性が大きく変わってしまうケースも珍しくありません。

元々温和だった人が急にイライラするようになったり、怒りっぽくなったりといった症状が見られる場合は、特に注意するようにしてください。

今までできていたことができなくなる

統合失調症の患者さんの中には、今まで当たり前にできていたことができなくなるという形で症状が現れる人もいます。病気によって認知機能の障害が起き、集中力が大きく欠けてしまうのが主な原因です。

たとえば、これまでできていたはずの単純作業が進まなくなったり、作業中に頻繁に動かないと気が済まなくなったりといった形で症状が現れます。さらに症状が進むと、歯磨きや登校・出社といった日常に溶け込んだ行動すらできなくなることも珍しくありません。

他にも、統合失調症の代表的な症状としては不眠など様々なものが挙げられます。統合失調症の症状については下記の記事でも詳しく解説していますので、こちらも併せて参考にしてください。

統合失調症の初期症状として見られる症状を解説します

統合失調症の症例

統合失調症に罹患すると、下記のような症状が現れることがあります。

  • 注意力散漫
  • 意味不明な言動を繰り返す
  • ひどい妄想が見られる

ただしここで紹介する内容は、あくまで統合失調症の患者様の状態をもとに書いた架空症例であることに留意しながらお読みください。

注意力散漫

統合失調症の代表的な症状の一つに、注意力が散漫になることが挙げられます。先述したように、注意力が散漫になることで、通常時には簡単にできていたことができなくなってしまうのです。

実際に、注意力の欠如から統合失調症が発覚したケースをご紹介します。

症例 30代男性
職種 事務
症状

もともと人間関係を構築するのが苦手で、職場でも一人で黙々と作業するタイプの従業員でした。勤勉で真面目な従業員でしたが、少しずつ納期遅れが発生したり、勤務中の居眠りが発覚したりして、何度も上司に叱責されるようになりました。

仲の良い職場仲間も少なかったこともあり、多くの方は「誰にでもあるミス」と気に留めなかったようです。しかし、通勤途中に転倒をした報告や、仕事上での不注意によるミスの増加から精神疾患を疑うようになりました。

男性は職場の忠告に従って精神科を受診したところ、統合失調症であると診断され、これまでの転倒や仕事上のミスも統合失調症が原因であることが明らかになったのです。

診断後は休職し、治療に専念しました。3ヶ月程度で不自由なく社会生活を送れるようになり、現在では復職しています。

意味不明な言動を繰り返す

統合失調症の原因は未だはっきりとは解明されていません。しかし最近ではドーパミン受容体感受性亢進など、脳の病気として解明されつつあります。

このような症状により、統合失調症の患者の中には周りからは意味不明としか思えないような言動を繰り返す場合もあります。

実際に意味不明な言動が見られることによって、統合失調症であることが判明したケースは下記の通りです。

症例

21歳女性

職種

学生

症状

普段は比較的静かな女性であったにも関わらず、学内で無駄な往来を繰り返したり、急に授業中に席を立ったりといった行動が見られるようになりました。

授業中も何かから怯えている様子が見られ、会話をしようとしても会話が成立しないという日が続いており、周りの友人が非常に心配して、精神科の受診を勧めました。

その結果、統合失調症であることが判明したのです。休学を行うほどでもなかったため、学校に病状に伝えつつ、周りからの配慮を得ながら大学生活を不自由なく送っています。

なお、大学生は統合失調症になりやすい年代の一つです。大学生が統合失調症になった際の具体的な対処法については、下記の記事で解説しているのでぜひ参考にしてください。

大学生が統合失調症になったら?リスクと対処法を解説します

ひどい妄想が見られる

統合失調症の治療が難しい要因として、ひどい妄想が挙げられます。特に、被害妄想が非常に激しく、精神科の受診や服薬を周りが推奨したとしても、「自分を攻撃している」と感じてしまうのです。

妄想から統合失調症が判明したケースは、下記の通りです。

症例

43歳 女性

職種

会社経営

症状

会社を経営しているこの女性は、10年ほど前に結婚しており、事業も順調であることから、周りからは順風満帆な人生を送っていると思われたようです。

しかし、忙しくなるにつれて夜眠れなくなり、睡眠導入剤などを服薬してもスムーズな入眠が難しくなりました。塞ぎ込みがちになった女性は、家から出ないようになるとともに、感覚過敏に陥るようになってしまいます。

また、「テレビや新聞で自分の悪評が流されている」「私は夫から嫌われている」といったことを話すようになり、旦那様が精神科に連れて行ったところ、統合失調症と判明したのです。

現在では、仕事を旦那様に託すとともに、薬物療法と心理療法の組み合わせで治療を行っています。

統合失調症の治療を行うには

残念ながら統合失調症は、自然治癒をする病気ではありません。必ず医師の診断のもと、適切に治療することが求められます。

ただし、最初から精神科を受診するのは抵抗感があるという方も少なくないでしょう。また症状が進行している場合、家から出ることが難しいといったケースも考えられます。

そのため統合失調症の治療においては、在宅医療がおすすめです。

在宅医療なら家から出ることなく、最適な医療を受けられます。患者さんのご家族にとっても診療に立ち会いやすいため、医師との関係性構築もしやすいです。

統合失調症の具体的な治療法については下記の記事で詳しく解説しているので、こちらも併せてお読みください。

統合失調症を治すためにやるべきこととは?治療法や注意点を解説

統合失調症の症例と同じ症状が見られたら在宅医療を検討しましょう

統合失調症の代表的な症状としては幻覚・妄想や過度な興奮状態、今までできていたことができなくなるといったものが挙げられます。また統合失調症の治療には在宅医療がおすすめです。

統合失調症の症例と同じ症状が見られる場合、できるだけ速やかに在宅医療の受診を検討しましょう。

銀座の梅本ホームクリニックでは、在宅医療による治療を行なっています。統合失調症の治療にも対応していますので、気になる症状が見られる場合にはぜひ一度お電話にてご相談ください。

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