認知症

薬の飲み忘れを防止するための工夫をご紹介します

薬の飲み忘れを防止するための工夫をご紹介します

病院を受診すると、疾患によってさまざまな薬が処方されます。それぞれ服用するタイミングも異なるため、しばしば薬を飲み忘れてしまうという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、薬を飲み忘れることによって考えられるデメリットや、薬の飲み忘れを防止するための工夫、薬を飲み忘れてしまった場合の対処方法などについて解説します。

薬の飲み忘れは、様々なデメリットをもたらす上に、治療を行う上で大きな悪影響になりかねません。

ぜひ本記事を参考にして、飲み忘れを防いでください。

薬を飲み忘れることによって考えられるデメリット

まず、医薬品の適正使用が行われなかった場合の影響について解説します。薬を飲み忘れることによって考えられるデメリットとしては、主に下記の2点が挙げられます。

  • 副作用が発現する可能性が高くなる
  • 治療の効果を十分に得られない

それぞれ詳しく解説します。

副作用が発現するデメリットが高まる

基本的に薬は用法用量を守って正しく服用することで、期待された効果を発揮します。

そして薬によっては、処方された量を全て飲み切ることが求められます。

たとえば、安全域が狭く用量調節が難しいものや、継続的に服用しないと効果が現れない薬も多いのです。

飲み切らなければならない薬を飲み切らない場合や、飲み忘れを繰り返した場合は、強い副作用が起こる可能性もあるので注意しましょう。

副作用と聞くと薬の過量投与ばかりが注目されがちですが、飲み忘れも副作用を引き起こす原因になりえます。

最悪の場合、薬の飲み忘れによって別の疾病を招くことも考えられます。薬の飲み忘れにより、時には思いがけない副作用が引き起こされる場合があることも理解しておきましょう。

治療の効果を十分に得られない

治療を行うためには決められた用法用量を守って、薬を正しく服用することが大切です。

当然ながら薬をきちんと服用しなければ、見込まれていた症状の改善を見ることは難しいでしょう。

たとえ病院で適切な診断や処方を受けていても、薬を飲み忘れることによって治療の効果を十分に得られなくなる可能性が高まります。

また薬の飲み忘れにより、それまでの治療効果の低下や消失に繋がる恐れもあり、適切な治療が困難になるケースもあります。

薬の飲み忘れを防止するための工夫

薬の飲み忘れを防止するための工夫として、下記のような方法が挙げられます。

  • スマホアプリなどの活用
  • 1回あたりの薬をまとめておく
  • お薬カレンダーの使用
  • 家族にも管理してもらう

それぞれの方法について、具体的にご紹介します。

スマホアプリなどの活用

薬の飲み忘れを防止するための工夫として、まずはスマホアプリなどの活用が考えられます。

現在、時間を設定しておけば服用のタイミングでアラーム・通知を行なってくれるアプリがあります。

たとえば、リマインダーのアプリなら、スマホの標準アプリとしてインストールされていることも多く、薬のリマインダーアプリとして専用のものもいくつか存在します。

これらを利用することで、薬の服用忘れを防ぐことが可能です。

リマインダー以外の機能が備わっているアプリも多いので、実際に試してみて自分に合っていると思うものを活用すると良いでしょう。

1回あたりの薬をまとめておく

100円ショップなどにあるケースを使用して、1回あたりの薬をまとめておけば、薬が多い場合でも飲み忘れが発生することを防げます。

朝・昼・晩と薬を入れる部分が分かれているものもあり、飲み忘れがないか一目で判別できるので大変便利です。

また医師・看護師・薬剤師に相談すれば、1回あたりの薬ごとに分けて包んでくれることもあります。

どうしても薬の飲み忘れをしないか不安な場合は、医師や看護師、薬剤師に相談してみるのも手段の一つです。

お薬カレンダーの使用

お薬カレンダーとは、処方された薬を正確なタイミング・分量を守って服用できるよう開発された一種の収納用品です。ビニールなどでできた壁掛けタイプのものが一般的です。

壁にかけることができるカレンダーにポケットが付いており、薬を飲むタイミングごとにポケットに薬を入れて準備しておくことで、順番通りに服用すれば飲み間違いや飲み忘れを防ぐことができます。

曜日や日付、時間ごとに間仕切りがされており、服用する薬やタイミングなどで迷わないよう工夫がされています。

お薬カレンダーは視認性が良く、薬の減り具合を確認しやすいのが特徴的です。

お薬カレンダーは外見上の特徴や、薬をセットできる期間などによって選ぶことができます。それぞれ用途に合わせて使い分けることも可能です。

家族にも管理してもらう

薬の服用を忘れがちな場合は、家族に協力してもらうのも一つの手です。

いつ、どの薬を服用するのかをあらかじめ家族に伝えておき、もし忘れていたら伝えてもらうようにしましょう。

ご家族全体で注意してもらうことで、飲み忘れを防ぐことや、飲み忘れにいち早く気づくことが可能です。

家族に自身の病気について理解してもらうのにも有効的な方法かもしれません。

万が一薬を飲み忘れてしまった場合

本来飲むべきタイミングから間もなく服用し忘れを思い出した場合は、すぐに薬を服用してください。目安となる時間は大体4時間ほどです。

ちなみに食前に飲むべき薬を食べ物が体に入ってしまってから服用すると、薬の効果が期待できなくなります。

なお、胃酸によって薬が分解されて効果を失ったり、腸での吸収ができなくなることがあるからです。

基本的に食前と指示された薬は食事の前に飲むようにしてください。ただし次の服用時間が近い場合は、1回スキップして次回分から適切に薬を飲みましょう。

前回の服用を忘れてしまったからといって、一度に2回分の薬を飲むのは大変危険です。

薬は適切な容量を守らなければ、効きすぎによる体への負担や、副作用が強く出てしまう恐れがあります。

基本的に薬は飲む人の年齢や体の大きさ、腎臓や肝臓など体の解毒作用を考慮して量が調節されています。そのため、同じ薬でも人によって量や回数が異なる場合があるのです。

適切な容量を守らなかった場合、効果が出ないばかりか薬に対する耐性を持ってしまうこともあるので、十分に注意してください。

薬の飲み忘れを防止するために、医師や薬剤師にも協力をお願いしましょう

本記事では、薬の飲み忘れによって考えうるデメリットを解説するとともに、飲み忘れを防ぐ方法や飲み忘れた際の対処法をご紹介しました。

薬を飲み忘れることによって治療の効果を十分に得られないばかりか、副作用が発現するデメリットも高まります。

そのため、スマホアプリやお薬カレンダーなど便利グッズを活用して、薬の飲み忘れを防止するための工夫を行いましょう。

万が一薬を飲み忘れてしまった場合でも、思い出して間もない場合はすぐに服用することをおすすめします。

ただし次の服用が近い場合は1回スキップして、次回から適切に薬を飲むようにしましょう。

薬の飲み忘れを防止するためには、医師や薬剤師に協力してもらうのも有効な手段です。

梅本ホームクリニックでは薬の飲み忘れを防ぐ方法も、処方箋をお渡しする際にお伝えし、患者さんのサポートを行なっています。

適切な治療のためにチーム一丸となって取り組んでいますので、薬の飲み忘れが不安という方もまずはお気軽にお問い合わせください。

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