精神疾患

思春期に発症する精神疾患の種類は?発症の原因も併せて解説

思春期に発症する精神疾患の種類は?発症の原因も併せて解説

思春期は子供の成長過程において、様々な種類の精神疾患にかかりやすい年代です。

心身の変化が大きい上に、受験をはじめとする様々なストレスがかかりやすい環境で過ごすことも多く、これらが精神疾患を引き起こしやすい要因とされています。

本記事では、うつ病や摂食障害など、思春期の子供が罹りやすい精神疾患について解説します。

お子様が精神疾患かもしれないと不安を感じている親御様は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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思春期とは

思春期とは、一般的に小児が成人に変化する時期のことです。個人差はあるものの、思春期は大体11歳頃から始まり、18歳頃まで続くとされています。

思春期は第二次性徴が現れるなど、身体的な成長が目覚ましく見られるとともに、精神的にも大きな変化の現れる時期です。

身体が目覚ましく成長する一方で、心の成長はやや遅れがちな傾向があるため、精神的に不安定になってしまう子供も多く見られます。

さらに、この時期は周囲の環境が変化することも多く、その分悩みや不安も耐えません。

心身の成長のギャップや、悩みや不安を抱えながら、アイデンティティを形成していく時期なのです。

なぜ思春期に精神疾患を発症しやすいのか?

先述した通り、思春期は心と身体が大きく成長するとともに、外的ストレスを受けやすい時期です。

成長過程における周りとの違いや、成績や受験などによって受けるストレスも多く、思春期には環境要因によるストレスも非常に多く見られます。

その上で、心の成長が身体に追いつかず、バランスを崩してしまうことが多いこともあり、ストレスが精神疾患に繋がってしまうのです。

また、未熟な一面もあることから、ストレス解消が上手くできずに様々な形で発散したり、精神的な不安定さが露わになることで、社会的な問題行動を起こしたりするケースもあります。

思春期に家庭内暴力を起こしてしまったり、もしくは心のバランスが折れて引きこもりや不登校となったりするケースが代表例です。

また、この時期は親とのコミュニケーションも少なくなりがちです。

対話が減少することで、思春期の子供はストレスを抱え込みやすくなり、その積み重ねによって精神疾患の発症に繋がってしまうと考えられています。

なお、思春期の子供が精神疾患を発症する、具体的な理由については、下記の記事で解説しているので、併せてご覧ください。

中学生に多い精神疾患とは?原因や初期症状・種類も解説

思春期に多い精神疾患の種類

思春期には、主に下記の精神疾患が多く見られます。

  • 不安障害
  • うつ病
  • 心身症
  • 摂食障害
  • 児童・思春期心性障害
  • 統合失調症

それぞれの症状や特徴について、順番に解説します。

不安障害

不安障害とは日常生活に支障が出るほど強い不安や、恐怖を感じてしまう症状の総称のことです。

過度なストレスが原因となり、特定の状況下において、動悸や腹痛をはじめとする様々な身体的な症状が見られます。

その他の不安障害の代表的な症状としては、人前で話すと赤面してしまう、汗が止まらなくなるといったものが挙げられます。

不安障害が悪化すると、特定の行動を無意味に繰り返してしまう、強迫性障害や他の精神疾患に繋がるケースも多いため、早期治療が大切です。

なお、思春期の不安障害については、下記の記事でも詳しく解説しているため、併せて参考にしてください。

思春期に気をつけたい不安障害とは?代表的な症状や治療法【チェックリスト付き】

うつ病

思春期にうつ病を罹ってしまう子供も多くいます。

うつ病を発症すると脱力感や憂鬱な気分にさいなまれ、ものごとへの意欲が低下するといった症状が現れます。

そのまま症状を放置してしまい、引きこもりや不登校に発展するケースも少なくありません。さらにうつ病は再発するリスクも高く、双極性障害につながるリスクもはらんでいます。

双極性障害とは、躁状態とうつ状態の切り替えが極端になる精神疾患のことであり、自身で制御することが困難な病気の1つです。

睡眠障害や食欲不振が前兆として見られることが多いので、気になる症状があれば早めに精神科を受診するようにしてください。

心身症

心身症とは身体的な原因はないものの精神的ストレスによって様々な体調の不調をもたらしている状態のことです。

代表的な症状として、頭痛や腹痛、嘔吐などが見られます。

心身症を発症しても、身体的な症状の原因は見当たらないため、まずは精神的なストレスを取り除くことが治療の第一歩です。

ストレスが原因と聞くと軽視しがちですが、心身症を放置すると過敏性腸症候群や十二指腸潰瘍といった大きな病気に発展するリスクがあります。

心身症については、下記の記事でも詳しく解説しています。思春期の子供に多く見られる精神疾患の1つであるため、心身症の疑いがある場合は、ぜひ参考にしてください。

摂食障害

摂食障害は食行動の重篤な障害を特徴とする精神疾患です。

体重・体型に対するこだわりや、それに関係した行動の異常が見られ、極端な食欲不振や過食などが発現します。

特に女性は極度な痩せ願望を持つことがあり、その結果拒食症になるケースが多く見られます。

もちろん男性もストレスによって食欲不振となり、結果として拒食症を発症することもあります。

また、拒食症や食欲不振の反動で過食症となってしまう方も少なくありません。拒食だけでなく、ストレス発散のために過食に走ってしまうこともあるのです。

これらの摂食障害の裏には、うつ病の前兆や不安障害などが隠れていることもあり、放置することは危険と言えます。

食欲に関する異常が見られる場合、摂食障害を発症している可能性もあるため、精神科の受診を検討しましょう。

児童・思春期心性障害

児童・思春期心性障害とは、思春期のストレスが原因によって、問題行動などが引き起こされる精神疾患の1つです。

「不満発散型」と「引きこもり型」の2種類があるため、それぞれについて解説します。

不満発散型

不満発散型の場合は衝動性が高まり、イライラしたり、切れやすくなったりするといった特徴が見られます。

不満発散型の思春期心性障害を発症することによって、普段は良い子であったとしても反社会的な行動を取るなどの状態が目立つようになります。

不満発散型の治療が急務と判断される場合には、薬物療法を施されることもあります。

ただし、薬物療法だけでは本質的な解決に繋がることはないため、同時にストレスの要因を取り除きつつ、環境の整備を行うことが大切です。

引きこもり型について

不満発散型とはストレスによって引きこもりになったり、ものごとへの意欲が失われたりするケースのことです。

この症状が進むとうつ病など、他の精神疾患につながることも多いです。引きこもり型の思春期心性障害の児童には、焦らずに様子を見守ってあげることが大切です。

ここで厳しく叱責してしまうと、かえって逆効果となってしまう可能性が高いと考えられています。

引きこもり型の思春期申請障害の治療には、親子でカウンセリングを受けるというのも方法の一つです。

統合失調症

統合失調症は100人に1人程度の割合で見られる病気であり、珍しい病気ではありません。統合失調症を発症すると、集中力の低下や認知機能の低下、幻覚・幻聴といった症状が見られます。

これらが原因となり、社会的な生活が困難になることもあり、放置することによるリスクが非常に高い精神疾患の1つです。

統合失調症の改善のためには、早期の治療が必要不可欠です。

放置してしまうと重症化や他の精神疾患の併発、治療の困難化にも繋がるため、少しでも疑いがある場合は必ず精神科を受診しましょう。

統合失調症を放置した場合に考えられるリスクについては、下記の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

統合失調症を放置するとどうなる?治療方法も併せて解説します

思春期の精神疾患を疑ったら精神科を受診しましょう

思春期には心が不安定になりやすく、様々な精神疾患を発症しやすいです。

精神疾患と聞くと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、特に思春期の子供にとっては意外に身近な病気でもあり、社会生活に大きな影響を与えるものです。

何より精神疾患を発症した際には、本人が一番苦しむことになってしまいます。

精神疾患によって日常生活を送ることが困難となり、将来に影響をきたしてしまうリスクも無視できません。

そのため、早めに精神科を受診して、治療を始めることが非常に大切です。

銀座の梅本ホームクリニックでは、精神疾患の疑いがあるお子様の診療も承っております。

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