膝関節

変形性膝関節症の手術のタイミングについて【手術のメリット・デメリットも解説】

変形性膝関節症の手術のタイミングについて【手術のメリット・デメリットも解説】

「歩く」というのは、私たちの生活においては切っても切れない動作であり、膝関節はそういった基本動作において大きな役割を持っています。

そんな膝関節がすり減ったり変形して痛みを伴ったりした場合、どのような治療法があるのでしょうか。本記事では、日本人に多いと言われる変形性膝関節症の治療法、その中でも「手術療法」について解説します。

 

変形性膝関節症とは

変形性関節症とは、関節にある軟骨が劣化したりすり減ったりして、関節に痛みや腫れが生じる疾患です。膝や股関節、肘、肩などに起こりやすく、中年以降の女性に多いと言われています。この中でも特に膝関節に発症するものが「変形性膝関節症」です。原因としては加齢のほか、遺伝、肥満、事故などによる関節の損傷などがあります。また、和式トイレや正座など、膝関節に負担のかかる生活様式にも大きく関係があると言われています。

一度かかると自然に治癒することはありません。自然治癒しない上に、完治するような治療法は確立されておらず、ヒアルロン酸注射や鎮痛剤による痛みの緩和や、装具の装着、リハビリなどが一般的な治療法です。そして、残念ながらこのような保存療法では劇的な変化や改善は期待できず、ヒアルロン酸注射の効き目も数週間と言われています。

 

変形性膝関節症の手術のタイミング

薬物療法や装具療法、リハビリなどの保存療法を3〜6ヶ月程度続けても改善が見られない場合には、手術が検討されます。

もちろん、初めて受診した時点で著しく変形が進んでいる場合や、生活に大幅に支障が出ている場合などは早期に手術を勧められる場合もあります。一方で、医師から手術を勧められたとしても、決心がつかないなどで保存療法を半年以上続ける方も少なくありません。

そして、どのタイミングで手術するかによって、最適とされる手術方法も異なります。

 

変形性膝関節症における手術の内容

変形性膝関節症の手術療法として代表的なものに「脛骨(けいこつ)骨切り術」と「人工膝関節置換術」があります。それぞれの特徴を解説します。

脛骨骨切り術

「脛骨骨切り術」とは、文字通り脛骨と呼ばれるすねの骨を骨切りし、X脚やO脚などの変形を真っ直ぐに矯正したうえで、ねじで固定するという術式のことです。比較的早期に手術をされる方、若い方や活動性の高い方などに施行されます。

 

人工膝関節置換術

一方、「人工膝関節置換術」とは、大腿骨と脛骨の傷んだ骨の表面を削り、同じ大きさの人工関節を挿入するという方法のことです。関節の変形が著しい方や、症状が進んだ高齢者の方などが適応となります。

 

変形性膝関節症の手術におけるメリット

ここまでで、変形性膝関節症における手術療法の概要について解説しました。

変形性膝関節症に対する手術療法には、下記のようなメリットがあります。

痛みが大きく緩和される

どちらの手術方法でも、傷んだ部分は摘出するので、痛みが大幅に緩和されます。また、変形した関節が真っ直ぐになることで、膝の片側だけに負荷がかかることはなく、関節面全体に均等に荷重されるため、痛みなく体重を支えられるようになります。また、人工膝関節の関節部分には、とても滑りの良い素材が使われているので、曲げ伸ばしも、とてもスムーズです。

 

姿勢が良くなり、他の関節への負担が軽減される

たとえば、右の膝だけが痛かった場合、生活動作において右膝を庇ってしまうため、今度は左側に余計な負担がかかります。その結果、左膝にも痛みが出るなどはよく聞かれます。他にも、右の膝だけが変形して伸びなくなってしまった場合、姿勢が崩れて腰が痛くなるといった、変形性膝関節症が別の関節の痛みの要因になることはよくあることです。

手術で痛みを緩和するだけでなく、変形も矯正することで姿勢がよくなると、体全体にかかる負担を大幅に軽減することが期待できます。

 

変形性膝関節症の手術におけるデメリット

手術療法には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。主な3つの注意点を解説します。

感染症の感染のリスクがある

手術ですので、皮膚を切開して関節内部を開きます。手術室や手術道具はもちろん滅菌処理をしていますが、傷を縫い合わせた後でも、傷口から細菌などが入って感染してしまうことが稀にあります。これを予防するために、術後は抗生物質が処方されます。

 

再置換が必要な可能性がある

人工膝関節置換術の場合、入れた人工関節が何らかの要因で緩んでしまったり、すり減ったりしてしまうことがあります。そのような場合は、もう一度手術をして別の人工関節に交換しなくてはなりません。

 

日常生活への復帰まで時間がかかる

手術が無事終わっても、すぐに痛みなく歩けるようになるわけではありません。術後はもちろん腫れますし、抜糸などの処置や、リハビリも必要です。

しばらくは杖の使用を勧められるほど歩行が不自由になるので、日常生活への復帰まではやや時間がかかると言えるでしょう。

 

手術前に留意するべきこと

ここまでで、変形性膝関節症の手術療法のメリット・デメリットについて解説しました。

これらを踏まえ、手術を行うにあたって留意すべきことがあるので、それぞれ解説します。

 

術後の日常生活への支障について

手術自体は2時間前後で終わりますが、全身麻酔下での手術となります。そのため、術前の絶食などの関係もあり、ほとんどの場合、手術前日までには入院です。術後も、感染症の有無の確認などの経過観察やリハビリも必要なため、最短でも術後2〜3週の入院が必要です。退院後もすぐに日常生活に戻れるわけではありません。場合によっては自宅に退院せずリハビリ専門病院に転院をすることもあります。

スケジュールには十分に余裕を持って手術予定を入れましょう。

 

合併症のリスクについて

先ほど述べた感染症のほか、血栓という血のかたまりが出来てしまうリスクもあります。手術の前後は安静にしている時間が長いので、いわゆる「エコノミークラス症候群」のように、脚を動かさないことで血流が悪くなり、血が固まってしまうことがあるのです。

寝たままできる足の運動などを積極的に取り入れて、血栓を予防しましょう。

 

服薬している薬の確認

普段飲んでいる薬によっては、手術前にいったん服薬を停止しなければならないものや、入院中に服用できないものもあります。

抗血栓薬などの血液をサラサラにする薬を服用している場合は、手術前に止める必要があります。手術は出血が伴うものなので、抗血栓薬などを飲んでいると、術後の出血も止まりにくくなるからです。

他にも入院中に服用できない薬があった場合なども、医師や薬剤師がきちんと適切な対処をしてくれます。服薬中である場合は、必ず担当医に宣告しましょう。

 

まとめ

本記事では、変形性膝関節症の手術のタイミングや手術の種類、メリット・デメリットについて解説しました。手術療法は痛みが緩和されるのが大きなメリットである一方で、留意すべき点も多くあります。手術方法や術後の処置、リハビリや薬なども日々進化していますので、担当医と十分に相談し、ご自身の症状やライフスタイル、内服薬やスケジュールなどを踏まえて検討していただくのをお勧めします。

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