認知症

長谷川式認知症テストのやり方と項目|点数の基準や自分でできる算定方法を解説

長谷川式認知症テストのやり方と項目|点数の基準や自分でできる算定方法を解説

厚生労働省の調査によると、高齢者の4人に1人は軽度認知障害(MCI)であるとされており、そのうち7人に1人は認知症であることがわかっています。認知症をご自身や家族にとって「縁がないものだ」考えている人も多いかもしれませんが、実は非常に身近な疾病なのです。 認知症になってしまうとご家族にとっても本人にとってもショックが大きいものですが、早期発見をすることで症状を食い止めたり改善したりすることが可能なケースがあります。早期発見の際に診断で使われるのが、長谷川式認知症テストです。

この記事では、認知症対策をするうえで欠かさずに知っておきたい長谷川式認知症テストについて説明します。

認知症テストを試す意義

そもそも、どうして長谷川式認知症テストなどを用いて検査をする必要があるのでしょうか。その理由としては、認知症には早期発見が重要であることが挙げられます。 認知症というと、発症後は症状が次第に進行し、ゆくゆくはご家族や日常生活についてもわからなくなってしまう病をイメージする人が多いでしょう。しかし早期発見・早期治療ができると、症状を軽減するだけではなく完治させることができる疾病なのです。テストを行うことで認知症の早期発見が可能となり、適切な治療を見極めて症状を緩和することが可能となります。

また早期の段階で診断することで、どのように介護をしてどのようなサポートを受けていくべきなのかを、ご本人と家族がしっかりと話し合えるようになります。

改定長谷川式簡易知能評価スケール(認知症スケール)の認知症テストとは

改定長谷川式簡易知能評価スケールとは、認知機能の検査を行うときに用いられる評価法のことを指します。ここからは、改定長谷川式の特徴や実際の問題例について見ていきましょう。

長谷川式の特徴

長谷川式は、評価者から対象者に対して9つの質問を行って、認知症の可能性を評価するテストです。ベッドにいながらでも簡単にスクリーニングできるため、幅広い人を対象に行われています。 もともとは1974年に作成された「長谷川式簡易知能評価スケール」が用いられていましたが、その後質問や採点基準が見直され、1991年に「改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」として生まれ変わりました 記憶力を中心した認知機能障害の有無を評価するもので、5~10分で実施できる手軽さが特徴です。

実際の問題例とテストからわかる認知症の疑い

長谷川式を行う際は、以下の問題が出題されます。

問題

点数

  1. 年齢はいくつですか?

1点

  1. 今日は何年何月何日何曜日ですか?(日時の見当識)

年月日、曜日でそれぞれ1点

  1. 私たちが今いる場所はどこですか?(場所の見当)

自発的に出れば2点
5秒置いて「家ですか?病院ですか?施設ですか?」に答えられれば1点

  1. 桜・猫・電車という言葉を言ってみてください。後で聞くので、覚えておいてください。(言葉の記銘)

それぞれ1点

  1. 100引く7はいくつですか?そこからさらに7を引いてみてください(計算)

2回正解で2点

1回正解で1点

  1. これから言う数字を逆から言ってみてください(逆唱)

2回正解で2点

1回正解で1点

  1. 先程伝えた言葉をもう一度教えて下さい(遅延再生)

自発的に出れば2点

ヒントで出れば1点

  1. これから5つの品物を見せるので、隠したあとに何があったか教えて下さい(物品記銘)

正解した品物分の点数

(5つ正解で5点など)

  1. 知っている野菜の名前をできるだけ教えて下さい(言葉の流暢性)

10個で5点

9個で4点

8個で3点

7個で2点

6個で1点

満点は30点で、20点以下は認知症の疑いがあると判断されます。19点前後であれば軽度、15点前後であれば中度、10点前後であれば重度、4点前後であれば非常に重度である可能性が高いです。 ただし、健常者でも体調や精神状態によっては点数が低くなることがありますし、軽度の人や高学歴の人は点数が高くなることがあります。スクリーニングの際は長谷川式だけで判断せず、ほかのテストなども組み合わせながら詳しく検査しましょう。

テストを受けるにあたって準備するべきもの

病院で受診する前にご自身でスクリーニングを実施したいと考えている人も多いのではないでしょうか。長谷川式は自宅でも簡単に行えますので、ぜひ活用してみてください。 自宅でスクリーニングを行うときは、以下の3つのものを用意しましょう。

  • 長谷川式認知症テストの評価用紙
  • 筆記用具
  • 道具5つ(定規・ブラシ・時計・歯磨き粉・皿など)

上記の道具がないときは、自宅にあるほかのアイテムに置き換えても問題ありません。

「点数が低い=認知症」ではない

先述したように、長谷川認知症テストの点数が低かったからといって、必ずしも認知症だというわけではありません。なぜなら、当日の体調や精神的な状態によって結果が多少変わってしまうことがあるためです。 そのため、もしもスクリーニングを実施して点数が20点に満たなかったときは、すぐに医師の診察を受けて正しくスクリーニングしてもらうことをおすすめします。点数が低いからといって自己判断で断定せず、冷静に行動しましょう。

長谷川式認知症テストは「アプリ」でも可能

長谷川式をより手軽に行いたいときは、アプリの活用がおすすめです。スマートフォンアプリ「HDS-R (改訂 長谷川式簡易知能評価スケール)」は、評価者がアプリの説明に従い、回答者に口頭で質問することで認知症チェックができるというものです。 内容は、医療機関で行われているスクリーニングと同様なため、信頼性は非常に高いです。「必要な道具を用意できない」「ゲーム感覚でテストを受けてほしい」というときは、ぜひ活用してみてください。

認知機能低下の疑いがある場合にやるべきこと

それでは、長谷川式などで認知機能の低下が疑われたときは、どのように行動したらいいのでしょうか。ここからは、認知機能の低下の疑いがあるときにすべき行動を紹介します。

まずは医療機関を受診する

先述しましたが、長谷川式だけでは認知症だと断見することはできません。しかしながら認知症であった場合、いかに早期の段階で治療をスタートできるかで症状の進行度合いは変わってきます。 正しく診断して治療を始めるためにも、まずは医療機関でしっかりと受診しましょう。

今後の家族の在り方について話し合う

次に、今後の家族の在り方についてご本人と家族で話し合ってください。 症状が進行したときに施設に入るのか、それとも自宅で過ごすのかなど、ご本人に判断能力があるうちに希望を聞いておきます。この際にご本人の意見を尊重するのはもちろんのこと、家族の思いも含めた話し合いをすることが大切です。

とくに症状が進行すると、周辺症状として徘徊したり大きな声を出したりすることがあります。こういったときに家族が対応できない場合は、施設に入ったほうがご本人にとっても家族にとっても最適な選択かもしれません。 自宅で過ごされる場合は「在宅医療の適用」に該当するため、医療保険適用内で介護や治療ができます。在宅医療をご検討の場合は、エフェメールホームクリニックにご連絡ください。

経済的な負担を抑えるための保険への加入を検討する

認知症になってしまうと介護や通院、福祉施設の利用などで多額の費用がかかってしまいます。こういった費用が捻出できず、十分なサービスを受けられなくてなってしまっては、ご本人だけではなく家族にとっても大きな負担となるでしょう。 経済的な負担を抑えるためにも、早い段階で保険へ加入しておくと安心です。

診断されてから保険に加入しようとしても、加入を断られたり保険料の申請ができなかったりする可能性が高いためです。 認知症を発症すると、発症していない人と比べると2倍以上の医療費がかかることが報告されています。重度になると1ヶ月に平均13万円程度の医療費がかかることになるため、保険でしっかりと備えておくことが大切です。

長谷川式以外の認知症テスト

認知症のスクリーニングをするときに用いられるテストは、決して長谷川式認知症テストだけではありません。ここでは、スクリーニングするときに便利な認知症テストを3つ紹介します。

認知症予防協会の認知症自己診断テスト

こちらは認知症予防協会が提供している、Webブラウザ上で簡単に認知機能を測定できるテストです。絵やイラストを使った問題が多い傾向にあり、全10問の問題にゲーム感覚で答えるだけで判定してくれます。 スクリーニングが終わると認知症予防協会のWebサイトリンクが出るため、結果に不安が残るときは情報収集しておくといいでしょう。

アルツハイマー病評価スケール

このテストは、スクリーニングのあと、症状の進行具合について詳しく調べるために行われるテストです。11問の質問からなり、記憶や見当式をメインに評価します。 長谷川式などで算定した結果が悪かったときは、このテストを行うという流れになります。

東京都福祉保健局の認知症チェックリスト

東京都福祉保健局が提供するこのテストは、10問の質問に答えるだけで認知症のスクリーニングができるテストです。「買い物にいけますか」「掃除ができますか」などの簡単な質問ばかりなので、家族が本人の様子を見ながら代わりに回答することも可能です。 万が一のときに相談できる窓口を案内してくれるので、点数が低かったときはサイトに表示される専門機関にご相談ください。 

早期発見のために、まずは長谷川式を試しましょう

たとえ認知症の症状が出てしまっても、早期発見・早期治療ができれば進行を遅らせたり完治させたりすることは可能です。認知症の治療は何よりもスピードが大切なので、違和感を抱くことがあったときは、すぐにでも長谷川式を試してみてください。 認知症になってしまったときは、施設や在宅医療などを活用して治療を進めていくことになります。エフェメールホームクリニックでは、患者様が最後まで自分らしくいきいきと生きられるように在宅医療をサポートしています。まずはお気軽に悩みや心配事をお聞かせください。

診療内容について詳しくは下記のページをご参照ください。
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