うつ病

うつ病の初期症状|重症化しないためにできること

うつ病の初期症状|重症化しないためにできること

現在日本では約15人に1人は生涯の内にうつ病を経験すると言われており、うつ病は私たちにとって誰でもなり得る身近な病気となっています。また現代社会ゆえの複雑なストレスにより、うつ病を含む気分障害を患う人も急激に増加しています。またうつ病は心の病と思われがちですが、実は脳のホルモンバランスの乱れが原因の病気です。

ここではうつ病の初期症状としてどのようなものがあるのか、うつ病の原因、うつ病と疑われる場合はどのタイミングで医療機関を受診したら良いかなど、具体的に紹介していきます。

うつ病の初期症状と考えられるもの

誰でも嫌なことがあったり、気分が落ち込む経験はあると思います。しかしそんな落ち込んだ気持ちも、心と脳が正常な状態であれば時間の経過とともに少しずつ癒されていきます。しかしうつ病になると、精神的なストレスによって脳内のホルモンバランスに乱れが生じ、落ち込んだ状態が回復せずにずっと続き、身体症状としても現れてきます。

うつ病の初期症状は自分では気づきにくく、また気づいていても心療内科の受診にハードルを感じ、誰にも相談できず一人で悩んでしまうこともよくあります。しかしうつ病も体の上記と同じく、早く医療機関に受診すればするほど、回復の時間も短くなります。

涙もろくなる

人は悲しかったり感動すると涙を流します。人が涙を流す生理的な理由として、自分ではコントロール仕切れない強いストレスや大きな感情を有害物質と体が受け取り、涙として体外に排出することがあります。辛いことがあっても泣くと気持ちがすっきりするのは、体から有害物質が出たという証です。

しかしうつ病になると、心のバランスを保つ働きのあるセロトニンの機能が低下し、脳内のホルモンバランスが乱れます。その結果、感情のコンロトールがうまくできなくなり、涙もろくなったり、今まで泣かなかったようなちょっとしたことでも自然と涙が出てしまうという現象が起きます。

気分が落ち込む

誰しも落ち込むことはありますが、ストレス発散をしたりまた数日経つと気持ちが軽くなってきたりします。この気分の落ち込みとうつ病の症状の違いは、「気分の落ち込みがどのくらい続くか」です。うつ病の症状の場合は、落ち込んだ状態が2週間以上続き、何をやっても気分が晴れないと感じます。

喜びを感じられない

うつ病の症状として、好きなことや趣味をやっても楽しさや喜びを感じられないことがあります。以前は没頭できていた趣味も、なんだかやる気がなくなって集中できなく興味がなくなってしまうことがあります。またうつ病では何か良いことが起こったり、落ち込むきっかけとなった物事が解決しても気分の落ち込みが晴れません。

食べられない

うつ病になると脳内のホルモンバランスの乱れだけではなく、自律神経にも悪影響を及ぼします。胃腸は副交感神経というリラックスした状態で活発に働く神経により支配されているため、うつ病では働きが弱まります。このため食欲が湧かない、食べたくない、少ししか食べられない、食後の胸焼けや吐き気など、様々な胃腸症状を引き起こします。

眠れない

うつ病の人の約8割に不眠症状が見られます。不眠はうつ病の初期症状としても代表的なものです。不眠のタイプとして、寝つきが悪い(入眠困難)、途中で目が覚めてしまう(中途覚醒)、朝早く目が覚めてそこから眠れない(早朝覚醒)、ぐっすり眠ったという感じがしない(熟眠障害)の4つがあります。

この中でも入眠困難がうつ病の人に特に多く、入眠に30分以上かかる場合は注意が必要です。早朝覚醒はうつ病の特異的な症状と言われており、うつ病が疑われる可能性が高いです。

うつ病の原因と考えられること

ストレス社会の現代では、うつ病の原因は多岐にわたります。また最近の研究ではうつ病を引き起こす原因は一つではないことがわかっています。経験したことのないような非常に辛い出来事が発端になることが多いですが、これ以外にも以前のいくつかの出来事が重なり合ってうつ病を発症することも珍しくありません。そのため「様々な要因」が複雑に絡みあい、うつ病を発症します。

環境要因

最もきっかけとなりやすいのが環境要因です。これは家族や親しい人の死別、健康問題、仕事、財産を失う、人間関係のトラブル、家庭内のトラブル、妊娠・出産など様々なものが当てはまります。

遺伝的要因

うつ病の原因として遺伝的要因があると言われていますが、一卵性双生児の場合2人ともうつ病になる確率は40%ほどと分かっています。これより、遺伝的なものというよりかは性格や考え方の傾向など、うつ病になりやすさが遺伝すると言われています。

うつ病になりやすい性格として、真面目、責任感・義務感が強い、几帳面、凝り性、周りに常に気を使うなどがあります。また女性は男性と比較して約2倍うつ病を発症していることが分かっています。また男性では中高年で発症することも少なくありません。

身体疾患

うつ病は脳内のホルモンバランスの乱れが原因で引き起こされますが、これは身体疾患でも起こります。例えば、アルツハイマー型認知症、その他の認知症、アルコール性の身体疾患、脳の損傷、機能障害などがあります。 また糖尿病や喘息などの症状、更年期障害でもうつ病を引き起こす要因になります。

うつ病が重症化しないためにできること

うつ病の治療で必要なことは、薬物治療、休養、睡眠の確保、運動、規則正しい生活などがあります。とにかくストレスから離れて医学的な治療を受け、脳のエネルギーを回復させることが必要です。

まずは休養を取る

体には「傷んだ部位をなるべく休ませて回復させる」という自然治癒の力があります。 うつ病も脳の病気のため、なるべくストレスから離れ、使いすぎてしまった脳を休めることが大切です。うつ病の治療における休養も、仕事量を減らす、残業をしないように調整するなどから仕事を休んで療養するレベルまで様々です。

また自宅療養をしていると家族に申し訳ない気持ちで過ごしてしまう人は、軽症であっても一時的に入院することが良いこともあります。

睡眠と運動量の確保

睡眠は体にとってエネルギーの充電です。ある研究では、不眠の人はそうでない人に比べ3年以内にうつ病を発症するリスクが4倍にものぼることが分かっており、不眠とうつ病が強く関係していることが言えます。

不眠の症状に気づいたら、まずは生活習慣を見直してみましょう。例えば、就寝前4時間のカフェイン摂取を避ける、就寝2時間前にぬるま湯のお風呂につかりリラックスする(布団に入ることには体温が下がって入眠しやすくなる)、目覚めたら日光を浴びるなどがあります。

また適度な運動は質の良い睡眠の確保と精神症状の安定のためにとても大切です。運動の内容は筋肉にあまり負担のない有酸素運動がセロトニンの分泌を促しおすすめです。軽いジョギングやエアロビクス、水泳、ヨガなどできそうなものから始めて見ましょう。

運動で体が疲れると自然と眠りやすくなります。運動は就寝時間の6時間前に行うようにすると効果的です。就寝前は興奮してしまい入眠しづらくなるので避けましょう。

医療機関の受診

医療機関では「抗うつ薬」などお薬の他に、カウンセリングや認知行動療法など専門的な治療を提供しています。お薬を飲むことに抵抗を感じる方もいますが、他の病気と同じく「痛いときには痛み止めを飲む」「風邪薬で風邪を治す」と同じように考えてみてはいかがでしょうか。しかし抗うつ薬は即効性のある薬ではないため、効果が出るまでに2週間ほどかかります。医師の指示にしたがって内服し自己判断で途中でやめることはやめましょう。 また不眠に対するお薬は即効性があるため、内服薬でまず不眠を解消し、脳のエネルギーを回復させましょう。

医療機関はどのタイミングで受診するべき?

うつ病の初期症状(涙もろい、気分の落ち込み、眠れない、食欲がないなど)が2週間以上続く場合は、医療機関を受診しましょう。 うつ病も体の病気と同じく、早期発見をして治療すれば回復できる病気です。しかし進行すればするほど回復までに時間がかかり、治ったとしても再発するリスクが高くなります。また身近な人がうつ病かもしれないと気づいた場合にも医療機関の受診を後押ししてあげてください。発見が早いほど、うつ病寛解も早くなります。うつ病も早期治療が大切です。

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