AIを用いた医療のメリット・デメリットを解説【活用実例つき】

AIを用いた医療のメリット・デメリットを解説【活用実例つき】

近年、AIは様々な分野で活用されており、医療の分野も例外ではありません。AIを用いた医療とは、どういったものがあるのでしょうか。

本記事では、医療AIのメリットやデメリットを、実際の活用例とともに解説します。

医療AIとは

AIとは「Artificial Intelligence」の略称で、人工知能のことです。たくさんのデータを収集し、収集したデータをもとに、高い精度の作業を高速で行えるAIは飛躍的な発達を遂げています。

AIはIT分野で使われるようなイメージがあるかもしれませんが、医療分野での導入も進んでいます。膨大なデータを元にして、健康診断などで異常所見をキャッチしたり、患者様の病歴やデータから、予測される疾病のリスクを導き出したりなど、様々な場面でAIの活用が期待されています。

 

医療AIのメリット

医療の現場にAIが導入されると、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

AIの特性を踏まえて3つのメリットについて解説します。

 

業務の効率化

AIの優れたところのひとつに、「速く、正確に作業が可能」であることが挙げられます。人間の脳は、疲れてくるとどうしてもミスを起こしやすくなりますが、AIの場合はそういったリスクが非常に低いのです。

先ほども述べたように、画像や検査結果から所見をキャッチするほか、診察後の記録なども、医師の大切な業務です。最近は、こういった業務をAIが担う試みも始められています。記録や書類作成そのものの自動化や、医療従事者が作成した書類をチェックするAIチェッカー​​なども導入されてきています。

こういったデスクワークをAIが対応することで、医療機関全体の業務効率化が期待できるのです。

 

診断精度の向上

AIが患者の検査・診断・処置データを収集し、分類や分析をさせることで診断の精度が向上します。人が膨大な検査結果をひとつずつ分析するのは時間がかかりますが、AIであれば、時間をかけずに精度の高い診断が可能になるかもしれません。

昨今、医療機器の高性能化により、たくさんの検査で多くの情報を得ることが可能になっています。しかし、せっかく情報量が増えても、それを元に正しい診断ができる人材が不足している状況もあるのです。そういった医師を支援するという意味でも、AIによる画像診断サポートのニーズは高まっています。

 

より適切な治療法の決定

病名が確定しても、病気によっては治療法がひとつだけとは限りません。病気の進行度合いや患者様の状態によって、いくつかの治療法から最善のものを選択しなければなりません。こんなときも、AIによって適切な分析や病態の把握ができれば、適切な治療法の決定が速やかに行えることが期待できます。早期診断・早期治療は、患者様により良い医療を提供するためには、重要な要素なのです。

 

医療AIのデメリット

以上のように、「速く・正確に」医療を提供できることから、メリットが数多くある医療AIですが、もちろんデメリットもあります。

現在、考えられている3つのデメリットについて解説します。

 

責任の所在が不明確

医療機関において、医療の提供における何らかの作業や判断を人工知能に委ねているわけです。そのため、判断や作業に何か問題があった時に、責任の所在が不明確というのは大きなリスクです。

また、判断基準・診断基準も、膨大なデータから導き出されているために、「AだからBと判断した」と明確に示すことが困難な場合もあります。

 

データの管理に不安がある

医療機関で「データ」といった場合、その多くが患者様の個人情報であることは言うまでもありません。そういったデータをどのように管理していくのか、本当に個人情報が流出することはないのかなどは、まだまだ未知数です。従来の紙カルテなどとは違い、データを盗まれても気が付かない可能性もあるのです。

 

バグや不具合のリスクを抱えている

AIに限らず、コンピューターや電子機器などを導入するすべてのケースに言えることですが、早くて利便性が高い一方で、誤作動やバグのリスクはゼロではありません。どんなに技術が進んでも、このリスクは無くならないとも言われています。特にAIは複雑であることから、故障や不具合が生じているかを現場の医師や看護師がチェックしたり判断するのは難しいといえます。

 

AIによる医療が不安な方は医師に相談しましょう

医療を提供する場合「インフォームド・コンセント」という原則があります。「インフォームド・コンセント」とは、医療者側は、リスクも含めてきちんと説明し、患者様側の同意を得られた上で治療などをしなければならないというものです。

AIによる医療はまだ不安、という方は、遠慮せず医師に相談しましょう。

 

医師のみができる治療がある

AIは早くて正確、といってもやはり、生身の人間である医師にしかできない治療があります。特に、データの少ない未学習の症例や珍しい症例に対応するのはまだ難しいと言われています。

また、病気の治療だけが医師の仕事ではありません。患者様の不安に寄り添い、適切なコミュニケーションを取っていくことは、AIにはできない大切な医療ケアです。

 

家族の中で対応策を考えましょう

医療AIのメリットとデメリットを知ることが大事です。それらを知った上で、AIによる医療を提案された時にどうするか、普段から家族で対応策を話し合っておくと良いでしょう。

 

医療AIの活用例

このように、医療AIのできることは数多くあり、どんなリスクがあるのかもわかってきています。こういったメリットとデメリットを踏まえた上で、実際の医療現場における医療AIの活用例を紹介します。

 

病気リスクの予測

糖尿病や高血圧症などの生活習慣病のリスクを予測するAIが開発されています。医療機関での採血や画像検査の結果だけでなく、リストバンドや腕時計型をしたウェアラブルデバイスで日常の生活習慣や心拍数などもモニタリングし、データとして組み込むことが可能です。

日本には莫大な健康診断のビックデータがあるため、AIに大量のデータを学習させることができます。これらを活用して、近年問題となっている生活習慣病による病気のリスク予測・発症予防が期待されています。

 

AIの画像解析による診断

医療機関に行くと、レントゲンやCT・MRI検査など様々な検査を行いますが、画像を撮れば診断が確定するというわけではなく、検査結果から、どういった病態が考えられるのかを読み取らなくてはなりません。

そこで活用されているのが、画像から疾病診断を行うAIです。レントゲン写真や心電図などに現れる疾病ごとの特徴を学習させることで、画像に写された異常所見を瞬時にキャッチします。ケースによっては医師よりも正確に、かつ素早く診断ができるといった例も報告されています。

 

オンラインでの診断

感染症拡大防止の観点から、医療機関を訪れることなく診察・診断することのニーズが高まっています。そんな中、徐々に導入されつつあるのがAIを導入したオンライン診断システムです。オンラインで医師と患者様が通話して診察することで、患者の状態を把握し、AIによる病名予測や、病状に応じた近隣の医療機関の紹介、診断後の処方箋の送付などが可能となっています。これらは感染症の蔓延にともなう自宅療養や自粛生活の方には非常に有用と言えるでしょう。

 

まとめ

医療AIについて、メリットとデメリットを中心に、実際の活用例などを解説しました。膨大なデータを記録することができ、速くて正確な作業が可能であるAIは、医療業界に多くのメリットをもたらしますが、一方で、適切なケアやコミュニケーションはやはり医師にしかできない大切な役目と言えます。また、どんなに高性能であっても、バグや不具合のリスクはゼロではありません。

正しい知識をつけ、これからの医療にどのように取り入れるか、自分は何を選択していくか、普段から考えるとともに、家族や身近な人たちと話し合っておくことをお勧めします。

また、梅本ホームクリニックでは、最先端の医療を在宅医療でしております。無料の電話相談を受け付けておりますので「最先端の医療を受けたい」「定期的にケアしてほしい」と思った方は、お気軽にご相談ください。

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